Core i5 4670Kを殻割りしてみた

i7-4770Kで失敗

Haswellが発売されて早速i7-4770Kを買ってみて殻割りしてみたのですが、ダイのカドが少しかけてしまって、マザーに取り付けて電源を入れても起動しませんでした。
ほんの少し欠けただけでもダメなんですね…。あと、Haswellはヒートスプレッダの中にダイのほかにチップ部品がたくさん付いていますが、それの一番外側のものも傷つけてしまったかもしれません。

i5-4670Kを殻割り

気を取り直して、あらためてi5-4670Kを購入して再度チャレンジしました。今度は成功し、ヒートスプレッダをはずした状態でとりあえずとりつけてBIOSのセットアップまで行けるのを確認しました。熱ですぐ落ちてしまいますが。なんとなくですが、IvyBridgeのときよりヒートスプレッダの接着が強固で、カッターの刃が隙間に入りにくく、ある程度力をこめないと刃が動かない感じでした。
つづいて、3770Kのときと同じように、ダイとヒートスプレッダの間のグリスをLiquid Proに変えて放熱の効率を上げようと思いましたが、今回はダイのすぐ近くにチップ部品があるので、リキプロが垂れてこれらがショートしてしまうことが考えられました。そこで、チップ部品を絶縁性の接着剤で覆ってショートを防ぐことにしました。

写真は、殻割りしたあとグリスをきれいに取り除き、余計なヒートスプレッダの接着剤をカッターでそぎ落としたCPUのチップ部品周辺に、絶縁性の接着剤を塗ったところです。接着剤は秋葉原の電子部品屋さんで売っていたCOM-G52というものを使いました。塗る場所が狭く細かい作業になるので、いったんチューブから接着剤を適当なビニール袋のきれっぱしの上に少量出して、それを爪楊枝の先につけて少しずつ盛るように塗っていきました。いったん全体を塗ってしばらくすると盛り上がりが減ってきてチップがうっすらと透けるように見えてきたので、ちょっと固まってから透けた部分にもう一度重ね塗りしました。CPUダイより接着剤が厚くなってしまうとあとでヒートスプレッダを貼りなおすときにぶつかってしまうかもしれないので、厚くならないように気をつけて塗りました。

2時間くらいたったら、爪楊枝で軽くつつくくらいなら形が変わらないくらいに固まったので、ダイにリキプロを塗り、ヒートスプレッダをエポキシ接着剤で貼り付け、マザーボードのソケットで固定して接着しました。

オーバークロックしてみた

そのあとちゃんと起動したので、(絶縁性接着剤の効果が果たしてあったのかどうかはよくわかりませんが)オーバークロックを試してみました。とは言っても今回はマザーボードとCPU以外はすべて過去の余り物のパーツで、オーバークロック向けとは全く言いがたいものなので、クロックの伸びに関してはあまり参考にならない結果です。まあ、熱的にどうなのか、ちょっと見てみるくらいの感じです。

構成
  • M/B: ASUS GryphonZ87
  • メモリ: UMAX DDR3-1333 4GB x 2
  • 電源: KEIAN KT-370EY-08A (370W)
  • CPUクーラー: 水冷1系統
    • 水枕: EK SupremeLTX
    • リザーバ一体型ポンプ: XSPC X2O 450 Pump with Acrylic Reservoir
    • ラジエタ: BlackIce SR1 120
    • ファン: XINRUILIAN RDL1238S (38mm厚2000rpm)
結果

このような構成なのであまり伸びませんでしたが、BIOSのコア電圧オフセット+0.140設定で12時間以上Prime95を走らせることができました。コア温度は高いときで90℃くらいになりましたが、最大でコア電圧は1.45Vくらいになっていたので、過去にIvyで1.46Vで80℃くらいになっていたこと、室温が30℃くらいあったこと(Ivyのときは20℃くらいで検証した)を考えれば、TDPも上がっていますし電圧に対する温度としては妥当なところかと思います。
もっと安定した電源、CPU電源フェーズの多いマザーを使えば同じコア電圧でももっと伸びるかもしれません。

今回は、こんなところで。


注意: 本記事に書かれているようなオーバークロックヒートスプレッダを取り外すような行為は基本的にメーカーの保証外です。また、ここに書かれていることは私の環境での動作例でしかなく、ほかの環境やほかのCPU個体で行っても同じようになるとは限りませんし、保証は一切ありませんのでご注意ください。